防御率162.00からの逆襲。
カープ左腕はOB大野豊の再来となるか (2ページ目)
また、カープの手薄な左腕事情もあった。150キロ超のストレートを最大の武器とし、先発、中継ぎどちらでも使える。昨春もイチオシの選手に名前を挙げていた。
それだけに、昨シーズンは思わぬつまずきに落胆した。
春季キャンプの滑り出しは上々だった。先輩の中崎翔太と初めてオフをともに過ごし、調整は順調だった。だが、結果を求める気持ちが空回りした。オープン戦に入ると、目先の結果を求めてしまい、持ち前の思い切りのよさが鳴りを潜めた。
「結果が欲しいとなっていたのか、きれいに投げようとし過ぎていました」
そんな姿には、首脳陣が求めていた"若さ"は感じられない。開幕一軍争いからもひっそりと外れていった。
「ボロを出す自分がいた。自分への信頼がなかったんだと思います。自分、球速を抑えたなかで勝負しようとしていました。それが対外試合に入ったときに頼るものがなくなってしまった」
春季キャンプで狂った歯車は、シーズンにも大きく影響した。開幕しても試行錯誤する時間だけが過ぎた。シーズン終盤に感覚を取り戻しても、すでに一軍には塹江が割って入るポジションはなかった。
結局、2017年は一軍登板なし。「ホップ、ステップ、ジャンプ」の成長を期待されながら、ホップのところでつまずいた形だ。
「今年(2018年)は勝負していきたい、他の人に負けないところで勝負できる投手になりたい。自分の魅力を出すことが一軍への近道なのかなと感じた」
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