光山英和コーチが手がけたDeNA捕手陣、
球界ワーストからの大改造

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

【連載】チームを変えるコーチの言葉〜横浜DeNAベイスターズ バッテリーコーチ・光山英和(1)

練習中、戸柱恭孝と談笑する光山コーチ(写真右)練習中、戸柱恭孝と談笑する光山コーチ(写真右) 19年ぶりの日本シリーズ出場を果たし、この2年でチーム力が確実に上向いた横浜DeNAベイスターズ。新たにアレックス・ラミレスが監督に就任した2016年は勝率こそ5割を切ったが、順位は6位から3位に浮上して11年ぶりのAクラス入り、球団初のCS進出を果たした。

 その延長上で迎えた今シーズン、順位は変わらず3位だったが、勝率は5割を超え、CSではファーストステージで阪神を倒し、ファイナルステージでリーグ連覇の広島を制した。

 チーム力の向上で目立つのは、筒香嘉智を中心とする強力な打線と、先発に3人の左腕を擁して、ブルペンも充実の投手陣。いずれも生え抜きの若い選手が成長し、活躍しているのが最大の魅力だろう。

 そして、その成長は投打に限らず守りでも顕著だ。ディフェンスの要たる捕手の好転こそは、ベイスターズが長い低迷を脱した最大の要因ではなかろうか――。16年から一軍バッテリーコーチを務める光山英和に、捕手陣をいかに変え、いかに整備したのか尋ねた。

「球団から声をかけてもらったとき、『2015年のシーズンは暴投の数で記録を作った』と聞きました。捕逸も多かったんです。そこで『これはちょっとおもしろいな』と。『どこまで変えられるのかな』ということをまず思いましたね」

 光山が言う「記録」とは、シーズン暴投68個のプロ野球ワースト記録だ。これは1990年のロッテに並ぶ数字で、捕逸もリーグで2番目に多い11個と、15年のベイスターズはバッテリーエラーが特に多かった。

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