2017.11.27

打って、走って、送って、守れる男。
今宮健太は「野球小僧」に生まれた

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2014年以来となるベストナインに選ばれた今宮健太ソフトバンク)は、次のようなコメントを残した。

「正直、驚いています。守備を含めて、本塁打や打点ではある程度の成績を残せましたが、打率は周りの選手よりもよくない数字だったので……」

 おそらく「驚いています」と語ったのは、前半戦打撃好調だった茂木栄五郎(楽天)や、パ・リーグの新人王に輝いた源田壮亮(西武)の活躍を受けてのことだろうが、多くの野球ファンは今宮の受賞に異論はないはずだ。

ゴールデングラブ賞に続き、ベストナインも受賞した今宮健太 今季、「2番・ショート」として141試合に出場し、打率こそ.264に終わるも、14本塁打、64打点、15盗塁はいずれも自己ベストを更新。犠打数もリーグトップの52をマークした。一方で、ショートの守りでは12球団トップとなる守備率.988を誇るなど、攻守で存在感を見せつけた。

 そんな今宮の野球を楽しんでいる様子が伝わるプレーを見ていると、明豊高校(大分)時代に本人から聞いた幼少期の話がよみがえってくる。

 野球を始めたのは本人の記憶によれば「2歳か3歳の頃」だったという。母の一子さんを相手にビニールのグラブをはめ、柔らかいボールで行なう”キャッチボール”が始まりだった。やがて入団した少年野球チームでは、父の美智雄さんが監督で、一子さんがコーチを務めていた。

「そこで野球のイロハを教えてもらいました。打てなくなったら母と一緒に、夜でもグラウンドに行ってティーバッティングをしていました」