飯田の超絶バックホーム、イチロー対策...。日本シリーズ舞台裏の秘話 (4ページ目)
ただ、それでも第5戦の第1打席で、その高めのボールをライトスタンドに持っていかれた(笑)。「このままでは終わらん」というイチローの凄さと意地を見せられた一発だった。
その日本シリーズでもうひとつ思い出すのが、第1戦のオリックスの先発だ。当時、予告先発はなく、我々は野田浩司か佐藤義則のどちらかでくると予想していた。だが、決定的な情報がない。すると前日だったか、「佐藤が先発する際、必ず診てもらうマッサージ師がいて、そこに3日前に行った」という情報をつかんだ。シーズン中の佐藤の行動パターンから逆算すると、ちょうど初戦になる。そこで佐藤が初戦に投げると確信した我々は、しっかり準備し、対策を練ることができた。
日本シリーズというのは、試合をする前から戦いが始まっているのだ。何気ないちょっとした情報でも、それが大きな武器となることがある。交流戦やCSが始まり、日本シリーズの重みも以前とは違ったものになってきてしまった感は否めない。しかし、日本のプロ野球にとって最高峰の戦いであるのは間違いないし、シーズンでは味わえない緊張感の中でプレーできる。日本シリーズで戦っているソフトバンク、DeNAの選手たちはその喜びを噛みしめながらプレーしてほしいと願う。
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