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DeNA宮﨑敏郎が自ら語る、
熱い野球愛と「言葉にできない打撃術」 (5ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 打撃ばかり注目される宮﨑だが、とくに今シーズンはサードに固定され、柔らかいハンドリングからなる安定した守備を見せている。速い打球への対応やスローイングといった課題も克服しつつあり、セイバーメトリクスで守備力の高さを示す指数の『UZR』ではリーグ上位の数字を残している。

 そして、一気に開花したバッティングであるが、宮﨑の代名詞になりつつあるセンターから右方向への打球は、代打のスペシャリストである下園辰哉のアドバイスが大きかったという。

「僕はバッティングに対するメンタル面や考え方についていろんな人に聞くんですけど、昨年、下園さんから『右方向に打った方が率は残せるんじゃないか』って言われて少し意識するようになったんです。すると打球も上がるようになり、率も上がりました」

 また特筆すべきは、その三振数の少なさである。規定打席に到達した打率上位の選手は、軒並み40~50個以上の三振を喫しているが、宮﨑はわずか20個にすぎない(6月26日現在)。

「低めの落ちるボールや曲がるボールを振らなくなった感じはありますね。最近は意識せずとも勝手に体が止まるんですよ。そこが三振の少なさにつながっているんじゃないですかね。配球を読むタイプか? うーん、タイミングが合えば全部行く感じですね。もちろんボールを絞るときもありますが、感覚的な部分に頼るタイプなので、絞ると逆に力が入って自分のスイングができなくなってしまうんです」

 筒香嘉智もバッティングに関し、自分の内側にある"言葉では表現しきれない感覚"を大事にしていると言っていたが、宮﨑の非凡さもまた同様の部分にありそうだ。

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