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プロ野球の緊急補強にオススメ。
BC新潟のトルス投手が熱投アピール (4ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 大男が揃うオーストラリアにあって、トルスの170センチという身長は、接触の多いラグビーやサッカーにはたしかに不向きなのかもしれない。野球を続けていくなかで、トルスはサウスポーということもあり、投手を任されるようになった。その後、アメリカの短大に進み、そこで本場のベースボールに触れた。

 短大を卒業し帰国すると、プロリーグが復活していた。地元球団であるアデレード・バイトに入団したが、登板機会は一度しか巡ってこなかった。それでも自身の可能性に見切りをつけることができず、より高いレベルを目指して再度渡米。4年制の大学に入り直して、大学でのプレーを続けた。

 しかし結局、MLBのドラフトにかかることはなかった。母国に戻り、職を探す道もあったが、トルスはアメリカの独立リーグでチャンスを待つことにした。若手中心のフロンティアリーグのトライアウトを受験したが受からず、荷物をまとめようと思っていた矢先、別のリーグから声がかかった。

「あそこは大変だったよ。遠征なんかも、みんな自力で車に乗っていくんだから(笑)。大学の方がよほどマシだったよ」

 ここ10年ほどで新たに立ち上がった独立リーグは、待遇の悪さとプレーレベルの低さで知られている。トルスが契約を結んだペコス・リーグの報酬は週50ドル。そんなリーグから抜け出し、ビッグマネーを手にする者など、ほとんどいないのが現状だ。しかしトルスは、針の穴からかすかに洩れる光に向かっていった。

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