もうガムは嚙まない。DeNA梶谷隆幸が自身を語るロングインタビュー (6ページ目)

  • 村瀬秀信●取材・文 text by Murase Hidenobu
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズン、不調から脱し7月から調子を上げた梶谷は、そのままCSまで大崩れせずに乗り切った。その中で大きな変化があった。試合中にガムを噛むのをやめたのだ。もともとガムを噛み始めたきっかけは2012年、試合に出てはミスを繰り返し、連日厳しいファンからの声に晒されながらプレーをしていた頃。乱れた感情のままミスがミスを呼び、思うようなプレーが何ひとつできない。そんな中で、ワラにもすがる思いで手にしたのがガムだった。

「僕は感情の起伏がすごくあるんです。表向きは見えないかもしれませんけど、エラーや打てないとすぐにカッと乱れてしまう。一喜一憂して次の打席をおろそかにしたくないから試合では自分を作りますし、感情や心拍数を抑えたくて、ガムを噛むようになりました。リズムを整えられる利点もありましたし、心を落ち着かせるために何年か噛んでいたんですけど、やっぱり日本人ですからね。ガムを噛んでプレーしていると、『カッコつけてる』とか印象が悪いんですよ。僕自身もずっとやめたかったんですけど、精神的に落ち着くので......。それが、昨年の夏ぐらいに自然とやめられたんですね。噛んでいないのに、『あれ、全然リラックスしている』と気がついて。なんでだろう。何があったというわけでなく、徐々に変わってきたような気がしますね」

 高卒で入団した頃は足が速いだけで、打撃ケージから打球がなかなか出ずに、プロでやるには厳しいと思われた選手だった。やっと試合に出始めても、ツボに入れば凄まじい打撃を見せるが、大きなポカもやらかす。

6 / 9

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る