ヤクルト杉村コーチが語る「WBCで中軸を打つ愛弟子4人の共通点」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 そして、山田哲人。ふたりは2013年の夏前に二軍の球場で出会い、以降、山田は日本人右打者年間最多安打、本塁打王&盗塁王の同時獲得、2年連続トリプルスリーなど、ものすごい速度でスーパースターへと駆け上がっていった。

「当初は体の線が細くてね。スピードはあったけど、時間はかかると思いました。『どんな打者になりたい?』と聞くと、『ホームランを打ちたい』と返してきてね。『じゃあ、50本、60本を打てるのか。まずは中距離打者として逆方向に打とうじゃないか』と言うと、不満そうな顔をしてね(笑)。それがホームラン王を獲るんですから。オレの見る目がなかったね(笑)」

 杉村コーチと山田の師弟関係は、今も現在進行形で続いている。

「WBCでは、チームに合流したときは五〜六分の状態でした。序盤はみんなが打っているなかで苦しんでいたけど、2次ラウンドのキューバ戦でホームラン2本。あれは山田哲人らしいよね。いつも周りを驚かせる。今は日本代表の中心的存在になるほど成長しましたが、小久保(裕紀)監督の山田への信頼を感じました。あれだけ打てなかったのに、起用し続けてくれた。テレビで見ている限りですが、もう大丈夫でしょう。山田のバッティングのポイントである"スイングのキレ"が出てきた。これからすごい投手との対戦になりますが、そこで打てば山田の株も上がるし、ヤクルトの代表としても打ってほしいよね。1番を任されることで、出塁率や走塁も期待されている。そのなかで、メジャーは出塁率+長打力が評価されるので、そこを見せつけてほしいよね」

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