トライアウトの目玉に。
快速球&怪スライダーの2投手に吉報は届くか (3ページ目)
「まだプロでやりたいという思いもありますし、応援してくれる方々のためにも、もう一度NPBでプレーしたいと思います」
現在のところは独立リーグや海外リーグのことは考えず、NPB球団からの連絡を待つという。登板機会に飢えたこの本格派右腕を求める球団は、今後現れるだろうか。
快速球で目立ったのが巽なら、変化球で異彩を放ったのは、西武から戦力外通告を受けたサウスポー・宮田和希だった。
宮田は甲賀健康医療専門学校に所属した2008年に西武からドラフト6位指名を受けて入団した。トライアウト後、11月16日に誕生日を迎えて28歳になる。プロ8年間で35試合に登板し、1勝0敗、防御率4.31という成績が残っている。
宮田は一見すると平凡なサウスポーだが、絶対的な武器を持っている。それは落差のあるスライダーだ。宮田のスライダーは打者の手元でストンと落ちる、独特な変化を見せる。宮田は「僕にはこのボールしかありませんから」と苦笑する。
「僕自身もどうやって投げるのかあまりわかってないんですけど、リリースのときに中指をガッと縫い目にかけて、それに人差し指がついてくる感じ。チームメイトから『教えて』と言われることもあるんですけど、僕なりに投げ方を説明しても、だいたい『わからん』て言われます(笑)」
宮田はこのウイニングショットを生かし、トライアウトでは内村賢介(前・DeNA)ら打者2人から三振を奪った。そして驚くべきことに、宮田にとって今回のトライアウトは「復帰登板」でもあったのだ。
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