阪神はドラフト3位の「超素材型右腕」才木浩人をビッグにできるか (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 だが、この"短さ"や"小ささ"が、制球力の高さや器用な変化球の投げ分けにつながっているという考えがある。才木も長い腕の扱いは器用に操ることができたが、大きな手については苦労してきた思いが強い。

「フォークやスプリットはうまく抜けなくて、軌道も不安定。スライダーのキレもまだまだですし、高校の間はストレート以外で"これ"というウイニングショットが持てませんでした。この手をうまく使って、自分に合う変化球を見つけていかないとダメだと思っています」

 才木の成功のカギを握る最大のポイントが "ここ"だろう。中尾監督が語ったように、近い将来、ストレートの球速は150キロを超えてくる可能性が高い。このストレートを生かす変化球を身につけることができれば、一軍でローテーションも現実味を帯びてくる。

「藤浪さんにカットボールの投げ方とか聞いてみたいんですけど、教えてくれますかね?」

 またしても才木は屈託のない笑顔を見せた。夢と希望にあふれた"超素材型右腕"がどう育っていくのか。阪神の育成手腕が大いに試されるときがきた。

プロ野球記事一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る