日米通算2000本安打の福留孝介が語る「忘れられない1本」 (2ページ目)
―― そういう感謝の気持ちは、やはり節目のときにあらためて感じるものでしょうか。
「何をしていても、自分ひとりでは何もできないってことは思いますし、そういう感謝は常に忘れずに日々やってますけど、そのなかで、こういう節目の数字のときは、その感謝の気持ちをあらためてっていうのはありますよね」
―― バッティングに関して大きな影響を受けた方は?
「特に誰、ということはないですね。プロに入ってからだけの話ではなく、中学校、高校と、いろんな人たちに、そのときそのときで指導してもらっているんで。どの指導者が欠けていても、たぶんいまの僕はないと思う。小さいときからの積み重ねが、いまの僕をつくっていると思います」
―― バッティングで一番大切にしていることは何ですか。若い頃と今とでは違うのかもしれませんが。
「いや、それは変わらないですよ。やっぱり、バットを振るってことですね。自分の力で、しっかりとバットを振るということ。当てにいったりするのではなく、打席のなかでまずバットを振るというのは、ルーキーのときも今も変わらないと思います」
―― 子どものころから言われてきたことなのでしょうか。
「それは、もちろん。当て逃げのような打ち方をするんじゃなく、しっかりとバットを振るっていうのは、小さいときからずっとやってきたことなんで。それは変わらないかな」
―― 練習でも、バットを振ることで出る体のキレと、走ったりトレーニングで出るキレは違うと、以前、お聞きしました。
「それは違うでしょう。バットを振っていって、そのなかでキレを出しながら、自分の感覚も戻ってくるものだろうし。走っていて、その感覚が戻ってくるかといえば、そうじゃない。でも、どれが欠けてもダメだと思いますよ。走る、バットを振る、打ち込む......どれが欠けても、自分の感覚はなかなか思っているようにはいかない」
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