ジャパニーズドリームを求めて。四国ILで戦う南半球の外国人選手たち (5ページ目)
そのチェンバースが「秘密兵器」として一緒に連れてきたのが、キャッチャーのオゴーマンだ。
彼もまた、チェンバースと同じゴールドコースト育ちで、高校卒業後の2013-14年シーズンに地元球団のブリスベンに入団。シーズンが終わると、アメリカの独立リーグでもプレーしたが、なかなか出場機会に恵まれなかった。それでも夢をあきらめず、昨シーズンは野球新興国のドイツで経験を積み、この冬のABLウインターリーグでついに正捕手の座を射止めた。そしてチェンバースの誘いもあって、四国に乗り込んできた。
「ドイツでは月に1200ドルもらっていたので、給料は落ちたんだけどね」と笑うが、日本に来た理由は明白だった。
「NPBでプレーすること。まあ、日本でなくても韓国や台湾でもいいからアジアのトッププロでプレーしたい」
オゴーマンもまたWBC戦士である。ニュージーランド生まれの彼は、2月の予選で生国の代表チームの一員として、相棒であるチェンバースのいるオーストラリアと本戦出場枠を争った。さすがに国際大会常連のオーストラリアの壁は厚く、予選敗退という結果に終わったが、オゴーマンは正捕手として3試合すべてにマスクを被り、打率.333と結果を残した。
この他にも、この2月のWBC予選に名を連ねた豪州代表のライアン・シールは、昨年ルートインBCリーグの石川でプレーし、今年は台湾プロリーグに活躍の場を移している。野球の国際化が進んでいる現在、豪州発、WBCで代表入り、独立リーグ経由、アジアのプロリーグ入団という流れの選手は、ますます増えてくるだろう。
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