ジャパニーズドリームを求めて。四国ILで戦う南半球の外国人選手たち (4ページ目)
その可能性が低くはないことは、豪州でのシーズン後、シドニーで行なわれたWBC予選大会の代表メンバーにも選ばれたことが示している。
「ライアン・ローランドスミス(元マリナーズ)、ピーター・モイラン(元ブレーブス)などそうそうたるメンバーだったからね。出番はなかったけど、いい経験にはなったよ」
ナショナルチームに入るということは、この国のベースボーラーにとって北半球のプロリーグへの登竜門なのである。
ストレートは最速141キロと、これまでと大きく変わるところはない。自らコントロールピッチャーと言うように、制球力を身につけたことで飛躍的にピッチングが向上した。
「オーストラリアのボールは横に変化しやすかったけど、日本のボールはタテに変化しやすい」
変化球投手らしく、ボールの違いをうまく利用する術も身につけた。
3種類のストレートにカーブ、シュート、カットボール、チェンジアップ、スライダー、スプリットと多彩な球種を誇るチェンバースだが、自身もアイランドリーグからNPBへの切符をつかみ、指導者としてマエストリやネイラーをNPBに送り込んだ経験をもつ伊藤秀範投手コーチは、こう指摘する。
「球威がマエストリやネイラーのふたりと比べると、やっぱり違います。もう少し球速を増やさないと。それは本人にも伝えているし、そこに向けたトレーニングもしています。それに、ただ持ち球が多いだけじゃなく、勝負できる球が最低でも2つは欲しいですね」
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