「疲れるとセカンドゴロ」の克服へ。日本ハム・中島卓也の肉体改造 (3ページ目)
「プロの体の説明するのは難しいですが、まずは1年間戦える体力です。本当に疲れるので、それに耐えられる体、筋肉が必要です。『1年間、耐えられる筋力がないとダメだ』という賢介さんの言葉は重みがありました。フルイニング出場を続けてきた方ですからね」
筋力が落ちることで怖いのは、疲れを引き起こす以上に、プレーの質が下がってしまうことだ。たとえば、ようやく掴んだ手応えのあるフォームも、筋力が落ちることで維持できなくなることもある。
「だからバッティングの調子が悪くなると、技術練習ではなくウエイトで体のバランスを整え、元の状態に戻すこともあるんです」
じつは昨年、6月の月間打率が3割を超えたように、前半戦の中島は高打率をマークしていた。しかし、8月以降に急降下。9、10月の打率はジャスト2割だった。
「6連戦が続く8月が一番きついと思っていたのですが、そこはなんとか乗り越えることができました。ところが、休みが増えて楽になると考えていた9、10月に夏の疲れがドッときたみたいで……。自分では変わっていないつもりだったのに、周りから見るといつものように動けていなかったようです」
筋力のスタミナ切れが引き起こす動きの低下や技術の狂いは、自分自身で気づきにくい点が厄介なのだ。少しずつプロにふさわしい体づくりをしてきた中島だが、まだまだ足りない部分があると実感したという。
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