2016.02.15

山田哲人と杉村コーチの師弟コンビが目指す「とんでもない目標」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Kopike Yoshihiro

 山田哲人(ヤクルト)の「ここまで」を杉村繁チーフ打撃コーチに振り返ってもらうと、「想定外だよね。こんなに打つとは思わなかった」と笑いながら頭をかいた。

「ここまで」とは、山田と杉村コーチが「3年間つきっきりで練習しようじゃないか」と本格的に早出練習を始めた2年前のある日から今日までのことである。そして今シーズン、ふたりは「約束の3年目」を迎えたのだった。

昨年トリプルスリーを達成し、本塁打王と盗塁王のタイトルも獲得した山田哲人

 2年前の春季キャンプで山田と杉村コーチのふたりがまず目指したのは、「レギュラーとして全試合出場」と「週に7本のヒットを打つ」ことだった。今にして思えば、じつに慎ましい目標である。杉村コーチが語る。

「ヒットを週に6本から7本打てば、月に30本になる。シーズンは約6カ月なので、それを続ければ年間180本。そうすれば打率も3割に届くだろうし、首位打者も見えてくるかもしれない。本塁打も月に3本打てば20本ぐらいになる。そう話していたんだけど、いきなり日本人右打者の年間最多安打記録を64年ぶりに更新してしまった。去年だって、相手からの攻めも厳しくなり苦しむだろうと予想したんだけど、トリプルスリーに本塁打、盗塁王のタイトルを獲得し、セ・リーグMVPでしょ。こんなこと想定していないですよ(笑)」