この世界で終わりたい。元ソフトバンク白根尚貴のトライアウト

  • 菊地高弘●文&写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 今年の9月末、雁の巣球場のダッグアウト裏で白根尚貴の姿を見つけた。会うのは島根・開星高校3年時以来なので、4年ぶりになる。今季後半戦はしばらくファームの試合に出ていなかったので、故障でもしたのかと聞くと、白根は「右肩を痛めていたんですけど、もう治りました。フェニックス・リーグも連れて行ってもらえそうなので、頑張ります」と答えた。

トライアウトで3安打を放った白根尚貴トライアウトで3安打を放った白根尚貴

 白根と言えば、高校時代は「山陰のジャイアン」と呼ばれ、スケールの大きな投打で注目された豪傑だった。スラッガーとして期待を受けて2011年のドラフトで4位指名を受けソフトバンクに入団したものの、相次ぐ故障によって泣かず飛ばず。3年目の2014年シーズンを終えた時点で、育成選手に格下げされていた。

 そして、一部で話題になっていたのが、白根の風貌が別人のように変わっていたことだ。高校時代は100キロ以上の巨体だったのだが、現在は90キロまで体重が落ち、スリムな体型になっている。2年前には70キロ台まで体重が激減して、さすがに本人も「病気かな」と心配になったそうだ。

「『激ヤセ』とよく言われるんですけど、やせようと思ったんじゃなくて、プロで練習しているうちに勝手に落ちたんです。もともと太りやすい体質じゃなかったというのもありますし、高校では動かなすぎたので......」

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