セ・リーグCS展望。東京ドーム2勝11敗の阪神に秘策はあるか? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 対する巨人も、グラウンド外のトラブルが発覚し、チーム状況はよくない。それもさることながら、今シーズンは主力打者が不振に陥(おちい)り、かつての重量打線は鳴りを潜めた。

「打線はどこかで爆発するのだろうと思っていましたが、結局、最後までなかった。これまで巨人打線を支えていた阿部慎之助、村田修一、長野久義らが機能せず、チーム打率.243はリーグワーストです。爆発する可能性はあるかもしれないですが、新戦力も出てきたわけじゃないですし、村田が戻ってきたとはいえ万全な状態なのか不安です」(野口氏)

「巨人は打線が弱いですが、菅野、マイコラス、ポレダの三本柱は安定感があって、しっかり試合をつくれると思います。むしろ巨人に不安があるとすればリリーフ陣。終盤勝負の展開になった時に、きっちり抑えていけるのか。当然、これは阪神にもいえることです。特に阪神は、抑えの呉昇桓(オ・スンファン)がケガでCSファーストステージに間に合わないと聞きました。おそらく先発の誰かをリリーフに回すのでしょうが、経験も含め、不安があります。投手力という点でやや巨人が上回っているような気がします」(与田氏)

 データやチーム状況を見る限り、巨人優位は動きそうもないが、今年のセ・リーグほど予想通りにいかなかったものはない。阪神に不安材料が多いほど、何かが起きそうな予感がするのだが……。巨人が昨年のリベンジを果たすのか、それとも再び阪神が返り討ちにするのか。両チームの戦いから目が離せない。

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