かつての盟友たちが語る中日・和田一浩「2000本安打秘話」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 中日の和田一浩が6月11日のロッテ戦で史上45人目となる通算2000本安打を達成した。試合後、和田は「まさかこの数字に到達できるとは、プロに入った頃には思っていなかった。そういう意味で、よくここまで来られたかなと思います」と感慨深げに語った。

 和田は1996年のドラフト4位で西武から指名を受け、入団。県岐阜商から東北福祉大、社会人野球の神戸製鋼を経ての入団で、プロ入り時はすでに25歳だった。

25歳でプロ入りした和田一浩。レギュラーを獲得した時は30歳だった25歳でプロ入りした和田一浩。レギュラーを獲得した時は30歳だった

 中日時代のチームメイトで解説者の山﨑武司氏は「ベン(和田選手の愛称)は30歳でレギュラーになった遅咲きで、ここ数年はケガなどで苦労した。それだけに2000本安打は本当に嬉しかったでしょうね」と祝福した。

 和田は捕手として西武に入団するも、当時の正捕手は伊東勤(現・ロッテ監督)で、控え捕手に中嶋聡(現・日本ハム)がおり、ポジション争いに入り込む余地さえなかった。強打の捕手として期待されていた和田だったが、入団してから5年間はシーズン100試合以上の出場はなく、通算でも149安打しか放っていない。

 たとえば、大学、社会人を経由して2000本安打を記録した古田敦也(元ヤクルト)は、入団5年目までに583本のヒットを積み重ねており、宮本慎也(元ヤクルト)は292本のヒットを放っている。和田本人が「よくここまで来られた」と語ったように、5年目の時点で2000本安打を達成するとは夢にも思っていなかったはずだ。

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