DeNAの守護神・山﨑康晃、取り戻した「2年前の感覚」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 横浜DeNAのドラフト1位ルーキー・山﨑康晃の勢いが止まらない。

 開幕から「クローザー」として起用され、5月14日の中日戦でも1点のリードを守り切り、セーブポイントを12球団トップの「16」に伸ばした。現在、チームも2位の巨人に2ゲーム差をつけて首位を快走。チームの快進撃を支えているのは、山﨑だと言っても過言ではない。
※成績はすべて5月19日現在

オープン戦で先発からリリーフに配置転換となったDeNAの山﨑康晃オープン戦で先発からリリーフに配置転換となったDeNAの山﨑康晃

 180センチを超す大男たちが並ぶプロ野球界にあって、身長177センチの山﨑は「小柄」な部類に入る。しかし、いざマウンドに上がると圧倒的な存在感を示し、次々と力のある球を投げ込んでくる。その迫力は大学時代から変わらない。

 山﨑が帝京高(東京)から東都大学リーグの亜細亜大に進学した時、1学年上には九里亜蓮(現・広島)がいて、2学年上には東浜巨(現・ソフトバンク)がおり、すでに絶対的エースとして君臨していた。そして山﨑が1年生の秋から4年生の春までの6季、亜細亜大は「戦国・東都」で6連覇という偉業を達成。そんな黄金時代の最中、山﨑は先発やリリーフで"奮投"を続けていたのだ。

 その中で忘れられない試合がある。山﨑が3年の秋(2013年)、リーグ戦5連覇を果たして進んだ明治神宮大会の準決勝での桐蔭横浜大戦だ。同点で迎えた7回裏、一死一、二塁の場面で山﨑はマウンドに上がった。最初のバッターをレフトフライに打ち取り二死となったが、次の打者に内野安打を打たれ満塁。だが、ここからの山﨑のピッチングがすごかった。

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