松坂離脱よりも深刻!? ソフトバンクが抱える「外国人枠」問題

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 7回を被安打2、無失点、13奪三振――まさに、次元の違う快投だった。3月31日に行なわれた二軍戦でソフトバンク先発の新外国人投手、リック・バンデンハークが見せたピッチングは、結果だけでなく内容も見応え十分なものだった。

昨年、韓国プロ野球で防御率、奪三振のタイトルを獲得したソフトバンクの新外国人・バンデンハーク昨年、韓国プロ野球で防御率、奪三振のタイトルを獲得したソフトバンクの新外国人・バンデンハーク

 この日はいつものファーム本拠地(雁の巣球場)ではなくヤフオクドームでの試合。焦点は来日して初めてとなる一軍本拠地のマウンドにアジャストできるかどうかだった。だが、不安など微塵も感じさせず、7回13奪三振ながら球数95の省エネ投球。与四球1の制球力のよさに加え、無駄なボール球がほとんどなかった証拠でもある。それでも助っ人右腕は「今日はコントロールが定まらなかった方なんだ」と話して首脳陣を驚かせた。

 バンデンハークは米メジャーで目立った実績はないものの、昨季は韓国プロ野球のサムスン・ライオンズでプレイし、13勝4敗の好成績を挙げた。防御率(3.18)、奪三振(180)はいずれもトップ。投手二冠の実績を引っ提げてソフトバンク入りした。

 身長198センチから投げ下ろすストレートは最速154キロ。カーブやチェンジアップなども操り緩急自在なうえに、精密機械のようなコントロールとくれば、二軍レベルで打たれるはずがない。そもそも年俸は1億5千万円とも2年総額4億円(いずれも推定)とも報道され、巨人をはじめとした複数球団との争奪戦を制してソフトバンクが獲得した大型右腕なのだ。

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