松坂離脱よりも深刻!? ソフトバンクが抱える「外国人枠」問題 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 ここで気になるのが、バンデンハークの心情なのだが、この右腕はチームメイトからの評判もすこぶるいいナイスガイ。オランダ人のバンデンハークは「自分の住む場所の言葉や文化を積極的に学びたいんだ」と、英語はもちろん韓国語まで習得しようと熱心だったという。今は、日本語を猛勉強中だ。

 最近では、球団トレーナーからマッサージを受ける際の「うつぶせ」「仰向け」をマスターしたとか。過去に在籍した外国人選手を見ても、日本の言葉や文化を受け入れようとする選手は、不遇とされる状況であっても一生懸命練習する選手が多く、孤立することはなかった。

 さらに、現在、彼の通訳を担当している松本健人氏によれば、「食事にもかなり気をつかっている」という。主に南米で食べられ、近年は日本でも健康食品として注目されている穀物「キヌア」を積極的に摂り、甘いデザートなどは極力控える。助っ人にありがちな、ハンバーガーなどのジャンクフードを食べることはほとんどない。

 外国人枠をめぐる厳しい競争について聞いても、「チームの勝利、もちろん一軍の優勝に貢献できるようにベストを尽くすだけだよ」と涼しい顔で答え、決して愚痴ることはしない。

 4月15日現在、バンデンハークは二軍で3試合に登板し、17回2/3イニングを投げて失点はわずか1。防御率0.51の快投を続けている。工藤監督の悩みはしばらく続きそうだが、他球団から見ればこれほど贅沢な悩みはない。はたして、ソフトバンクの最終兵器・バンデンハークの来日初登板はいつになるのか。今はその時をただ待つしかない。

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