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かつての世代最強打者。中日・福田永将「9年目の飛躍」の真相

  • 高森勇旗●文 text by Takamori Yuki
  • photo by Kyodo News

 開幕3連敗を喫した中日だったが、その後、7連勝を飾るなど、順調なスタートを切った。その原動力となったのが、プロ9年目・福田永将だ。遅れてきた"88世代"、福田の飛躍の原因は何なのか? 中学時代から彼を知る同じ"88世代"の元横浜DeNAベイスターズ・高森勇旗が綴った。

オープン戦でも4本塁打、13打点と結果を残した中日・福田永将オープン戦でも4本塁打、13打点と結果を残した中日・福田永将

 軸足をしっかりと固め、真っ直ぐピッチャーを見つめる。軽く息を吸い込み、それを吐き出すと、中日・福田永将(ふくだ・のぶまさ)はバッターボックスに根をおろす。全身の力をこめて振り抜かれた打球は、力強い弧を描いてスタンドに突き刺さる。

 今シーズン、中日の下馬評は決して高くはなかった。そして開幕3連敗。暗い雰囲気の中、福田への期待は高まっていった。オープン戦で4本塁打、13打点と絶好調だったこの男に、中日ファンから熱視線が注がれるのは、もはや自然の流れだった。

 3月31日の巨人戦で満を持してスタメン起用された福田は、3安打、1本塁打という結果で応えてみせる。福田の迷いのないスイングは、中日が抱える"世代交代""右の大砲不在"という課題を吹き飛ばしてくれそうなほど、大きな希望に満ちていた。結果もさることながら、空振りしただけでも何かを感じさせるような野球選手は限られている。今年の福田は、まさにそれだ。

 横浜高時代は1年夏から甲子園に出場し、涌井秀章(ロッテ)とバッテリーを組み、ベスト8。3年春は主将としてセンバツ優勝を果たし、2006年に中日から高校生ドラフト3巡目指名を受け入団。プロ入り後は大型捕手として期待されたが、2年目に内野へコンバート。その後、毎年のように期待の選手として名前は挙がるが、思うような結果を出せずに8年の月日が流れた。

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