斎藤佑樹、失意の降板。唯一の救いは「特別な投手」という評価 (5ページ目)
「このピッチャーには何点まであげられるのかは、だいたい決めてある。あれが普通のピッチャーだったら、前の回に交代だったかもしれない。これを次に生かしてくれたら……」
普通のピッチャーだったら――このセリフが、この日の斎藤にとっては唯一の救いだった。つまり栗山監督にとっての斎藤は普通ではない、特別なピッチャーなのだ。だからこそ、いつも話はややこしくなる。周りを納得させるために、特別なのに特別でなさそうな理由が必要になるからだ。
特別でいいじゃないか。
ローテーションの6番目に選んだのも、この日の交代も、予定通りの登録抹消も、そして「次に生かして……」という言葉が意味する二度目のチャンスも、すべて“斎藤だから”という理由でいい。このピッチャーは「チームに流れを引き寄せられる力がある」(栗山監督)と、指揮官から評価されているのだ。だからこそ、斎藤はその信頼に応えなければならない。よくも悪くも、そんな重荷を背負うのが、斎藤佑樹の宿命なのである。
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