躍動するベテラン、伸び悩む若手。「新成」巨人の誤算 (2ページ目)
「大谷くんとしては詰まらせたいという意識があったと思う。だからあの場面は、ストレートで来るだろうと思った。コースに逆らわないバッティングができました」(井端)
また、6日のオリックス戦では0-0の7回表、一死二、三塁から高橋がレフトへ先制タイムリーを放つと、負けじと井端もタイムリーを放ち、チームの重苦しい雰囲気を一変させた。原監督は「ベテランふたりに勝負強さが出てきた。ベテランが働いてくれることでチームがどっしりする」と絶賛した。
このままいけば、おそらく井端は開幕スタメンの座をつかむだろう。巨人移籍1年目の昨年は、右ヒジと右足首の手術を受けた影響から、自主トレやキャンプで十分な練習をすることができなかった。そのため出場試合は87試合にとどまったが、今年はオフから体を鍛え抜き、万全の状態で挑んでいる。
なにより、井端の武器は野球を見る視野の広さである。相手の守備体系やカウントから配球を読むバッティング。狙い球が来るまでファウルで逃げる技術。当初は片岡治大とのポジション争いになると思われていたが、プレイの質、精度で片岡の上をいく。井端は「起用を決めるのは監督です。使いたいと思ってもらえるようなプレイをするだけ」と言うが、原監督からの信頼は絶大だ。
一方の高橋も本気で開幕スタメンを狙っている。今年から兼任コーチとなったことで、全体練習の時間は短くなった。しかし練習が終わった後は、若手以上に走り込み、バットを振り続けてきた。その成果が出ているといっていいだろう。
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