選手会長・松田宣浩「あの時、ホークスは生まれ変わった」

  • スポルティーバ●文 text by sportiva

 2014年のプロ野球を制したのは福岡ソフトバンクホークスだった。阪神タイガースとの日本シリーズでは第1戦こそ2-6で敗れたものの、第2戦からは危なげない戦いで4連勝。2011年以来3年ぶりの日本一に輝いた。ソフトバンク選手会長の松田宣浩()は日本シリーズをこう振り返った。
※今シーズン、骨折により101試合の出場にとどまったが、打率.301、18本塁打、56打点と選手会長としてチームを牽引した

「阪神はクライマックス・シリーズ(CS)を6連勝で勝ち上がってきたチーム。ものすごい勢いを感じました。でも、僕たちも苦しみながらも激闘を制して日本シリーズまで来ることができた。特に、あの試合を経験したことでチームは変わったし、みんな自信を持って戦うことができるようになりました」

10月2日のオリックス戦でサヨナラ打を放った松田宣浩10月2日のオリックス戦でサヨナラ打を放った松田宣浩

 松田の言う"あの試合"とは、ソフトバンクの今季最終戦、10月2日にヤフオクドームで行なわれたオリックスとの一戦だ。ソフトバンクが勝てば優勝、オリックスが勝てばマジック1となり逆転優勝の可能性が残される。互いに優勝をかけた運命の一戦となった。

 今シーズンのソフトバンクは開幕からオリックスと首位争いを演じ、7月26日に"奪首"したあとは一度も明け渡すことはなかった。だが、優勝のカウントダウンに入った9月に大失速。特に、10月2日までの10試合でわずか1勝しか挙げられず、マジック点灯のないまま最終戦を迎えた。

それにしても優勝まで手が届くところにいながら、信じられないような負けが続いたのはなぜか。再び、松田が語る。

「優勝まであと少しのところまで来て、正直、最初の頃は『明日勝てばいいや』というぐらいの気持ちで、焦りはありませんでした。それが勝てない日が続いてくるにつれて選手たちの口数も減っていき、次第にチームの雰囲気も悪くなってしまった」

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