2014.11.06

もうひとりの二刀流革命児。雄平の飛躍を支えた「技」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今も目に焼きついて離れない、あまりにも衝撃的なホームランだった。

 2014年5月28日、神宮球場。

 ファイターズの先発、大谷翔平と対戦したスワローズの雄平は、大谷の投げた152キロのストレートをレフトスタンドへ叩き込んだのだ。

今シーズン、打率.316、23本塁打、90打点の成績を残した雄平

 衝撃的だった理由は、ふたつある。

 ひとつ目はこのホームランが逆方向への、しかも十分な飛距離の一発だったということ。

 ふたつ目は、大谷と初めて対戦したこの日の第1打席、大谷のカーブに見逃し三振を喫していた直後の打席、それも初球をいきなり打ったこと。

 雄平は、あのホームランまでのプロセスを振り返って、こう言った。

「初めて対戦した第1打席、(大谷に対しては)真っすぐとフォークがいいというイメージを持っていたので、追い込まれてからカーブが来るというのは、正直、頭にありませんでした。しかもそのカーブがまた、すっごいカーブだった(笑)。まったく反応できませんでしたね。ブレーキも利いていましたし、かなり上から来た感じでした」

 それだけのカーブを見せられながら、次の打席の初球、それも152キロのストレートを、いきなりレフトスタンドに叩き込んだのだから、仰天させられた。雄平が続ける。

「第2打席は、ストレートとスライダー、それからカーブを待っていました」

 えっ、3つの球種を――?

「はい......フォークは見逃そうと思っていましたけど、真っすぐ待ちで、スライダーとカーブも待ってましたね。真っすぐを待っていたとしても、もしスライダーやカーブが甘いところに来たら、それを見逃すのはもったいないと思っちゃうんです。だからイメージの中にスライダーとカーブも行っちゃえという感じを持って、待っていました。初球でしたし、空振りしても、ファウルになってもいいと思ってるので、そういう待ち方ができたんだと思います」