2014.09.17

定位置なし。ソフトバンク・今宮健太が見せる超絶守備

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 スタジアムにいなければ味わえない光景がある。

 それが、ショートの動きだ。一球ごとに守備位置を変え、すべての打球に反応し、フィールドの中を縦横無尽に駆け回るその動きは、テレビの画面には到底、収まらない。

 現在、もっとも上手いショートは誰かと問われたら、迷わず彼の名前を挙げる。

広い守備範囲で幾度となくチームを救った今宮健太

 ホークスの今宮健太――2年前、川﨑宗則(現・ブルージェイズ)が抜けた穴を明石健志と争い、群を抜いた守備力で去年からショートのレギュラーに定着。去年、パ・リーグのゴールデングラブを獲得したショートストップだ。小柄ながらも強靭な身体と卓越した運動能力で、信じられない超人的なプレイを連発する。正確な判断力をもたらす野球センスに加え、高校時代にピッチャーとして甲子園で154キロを投げた強肩を生かし、三遊間の深いところから身のこなし素早く、しかも力強いボールを投げて、バッターランナーを刺す。今宮は、ショートに必要なファクターをすべて備えていると言っていい。

 スタジアムの観客が、ショートのポジションにつく今宮に視線を注ぐとき、今宮はショートのポジションから360度の風景を見渡している。

「僕は守備位置に着いたら、全体を見るようにしています。ショートというのは内野の要だと言われてますし、全体をどんどん引っ張っていかないといけないと思っているので、そこで僕が一点しか見えてない状態であっては絶対にダメだと思っています。だから、前はもちろん、横も後ろも、全体を見るように意識しています」