阪神、逆転Vへ。巨人3タテの「ふたりのキーマン」

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 9月5日からの中日3連戦でまさかの3連敗を喫し、崖っぷちに立たされた阪神。そして9日から甲子園で巨人との今季最後の3連戦が行なわれる。首位・巨人を4.5ゲーム差で追う阪神にとっては、今シーズンの大一番。はたして、阪神に勝機はあるのだろうか。

巨人キラーのメッセンジャーがいても、ひとりで3連勝はできない巨人キラーのメッセンジャーがいても、ひとりで3連勝はできない

「クライマックス・シリーズ出場が目標なら2勝1敗でもいいのですが、優勝を狙うとなれば3連勝が絶対条件です」

 そう語るのは、昨年まで阪神の投手コーチを務めていた藪恵壹氏だ。さらに、こう続けた。

「私は今年の優勝ラインを81勝と見ています。そう考えると、阪神は残り20試合を17勝3敗でいかなければなりません。正直、かなり厳しい数字です。でも、巨人に3連勝すればゲーム差も詰まりますし、何よりベンチの士気がグッと高まる。今の阪神に必要なのは勢いです。この巨人戦が勢いをつける最後のチャンスになると思います」

 では、巨人戦で3連勝するにはどのような戦い方をすればいいのか。その前に、今季の阪神の対巨人戦の成績を見てみたい。

3月28日(東京ドーム) ●4-12 負け投手:能見篤史
3月29日(東京ドーム) ○5-3 勝ち投手:福原忍
3月30日(東京ドーム) ●3-12 負け投手:榎田大樹
4月11日(甲子園)    ○5-1 勝ち投手:メッセンジャー
4月12日(甲子園)    ○9-0 勝ち投手:能見篤史
4月13日(甲子園)    ○2-1 勝ち投手:安藤優也
5月9日(甲子園)     ●2-4 負け投手:能見篤史
5月10日(甲子園)    ●3-6 負け投手:二神一人
5月11日(甲子園)    ○1-0 勝ち投手:メッセンジャー
7月11日(東京ドーム) ○12-5 勝ち投手:メッセンジャー
7月12日(東京ドーム) ●0-5 負け投手:能見篤史
7月13日(東京ドーム) ○6-4 勝ち投手:岩田稔
7月21日(甲子園)    ○3-0 勝ち投手:岩田稔
7月22日(甲子園)    ○3-2 勝ち投手:金田和之
7月23日(甲子園)    ●2-3 負け投手:能見篤史
8月12日(東京ドーム) ○4-3 勝ち投手:メッセンジャー
8月13日(東京ドーム) ●1-5 負け投手:岩田稔
8月14日(東京ドーム) ●1-4 負け投手:藤浪晋太郎
8月26日(東京ドーム) ●3-4 負け投手:呉昇桓
8月27日(東京ドーム) ○5-4 勝ち投手:金田和之
8月28日(東京ドーム) ●0-4 負け投手:藤浪晋太郎

 ここまで阪神は11勝10敗と勝ち越しており、甲子園にいたっては6勝3敗と好成績を収めている。決して、巨人に苦手意識を持っているとは思えない。まずは初戦をしっかりとって、一気に弾みをつけたいところだろう。

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