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波に乗れない巨人にとって、交流戦は吉か凶か? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 一方、攻撃陣には明るい話題があった。それがキューバの至宝・セペダの入団である。セペダは5月15日のヤクルト戦でデビューすると、いきなり初打点を記録。さらに17日の広島戦では初本塁打を放った。槙原氏は、「セペダが交流戦のキーマンになる」と語る。

「セペダは巨人の再スタートの象徴的存在になるかもしれません。おそらくパ・リーグの各球団は、セペダの情報が少なく、マークできないと思います。それに彼はスイッチヒッターですから、右投手も左投手もそつなく打てる。セペダが機能してくれば得点力も増しますし、その結果、投手陣にも安心感を与えることになります。今は攻撃陣が投手陣をカバーしていくしかありません」

 現在、セ・リーグ首位打者のレスリー・アンダーソンはケガで戦線離脱しているが、間もなく復帰するとの情報がある。もし復帰すれば、外国人枠の問題も出てくるが、槙原氏の見解はこうだ。

「とにかく交流戦は攻撃重視でいくしかない。相手チームとしても、セペダ、アンダーソンが並び、下位にホセ・ロペスがいる打線の方が絶対に嫌だと思います。それに交流戦はDHもある。超攻撃的な布陣が組めるのは巨人の最大の強みです」

 また、解説者の与田剛氏は交流戦の戦いについて、次のように語る。

「交流戦は1カ月近くの長丁場ですが、実際は2連戦の変則日程で、短期決戦の要素を含んでいる。つまり、調子のいいチーム、悪いチームの差がはっきりと出てしまうということです。そこで重要になってくるのが、いかに勢いをつけるか。交流戦序盤で勢いをつけることができれば、案外、乗っていけると思うんです」

 巨人の交流戦の日程を調べると、西武(パ・リーグ6位)、ロッテ(同4位)、日本ハム(同3位)、楽天(同5位)、パ・リーグ下位チームとの試合が続く。逆に、首位の広島はパ・リーグの2強、オリックスとソフトバンクの対戦が待っている。

「日程的な部分では有利だと思います。広島がパ・リーグの上位と戦う時に、巨人は下位チームと戦える。ここでうまく流れに乗っていければ、勝ち越せる可能性はあると思います。菅野と大竹を軸にフル回転させて、内海の登板間隔をあけてもいい。今年の菅野は相手チームのエースと投げ合っても遜色ない結果を出していますから。とにかく、最初の下位チームとの戦いを全力で取りにいくことが大事です」(槙原氏)

 はたして、巨人は鬼門とも言える交流戦を勝ち越して終えることができるのか。シーズンの成績を大きく左右する交流戦。巨人の命運を賭けた戦いが、いよいよ始まる。

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