波に乗れない巨人にとって、交流戦は吉か凶か? (2ページ目)
さらに言うと、原辰徳が再び巨人の指揮を執った2006年からは、交流戦とペナントレースではっきりとした傾向が見られる。それは、交流戦で巨人が勝ち越すことができればその年のシーズンは優勝し、逆に交流戦での勝率が5割以下なら優勝を逃しているということだ。
例えば、2006年は交流戦前まで12の貯金を作り首位を走っていたが、交流戦で13勝23敗と大きく負け越し首位陥落。この交流戦での失速が影響し、結局、この年は4位でシーズンを終えている。また、2011年もソフトバンクに4連敗を喫するなど精彩を欠き、パ・リーグの4チームに負け越した結果、シーズンも3位に終わってしまった。まさに巨人にとって交流戦は"鬼門"となりうる戦いなのである。
いずれにしても、交流戦で巨人が勝ち越せば、ペナントレースの優勝確率は100%。だが、今の巨人に交流戦を勝ち越す力はあるのだろうか。
「今は底ですね」
そう語るのは、巨人OBで解説者の槙原寛己氏だ。
「打線の状態も良くないですが、やはり投手陣の不振が大きいですね。先発の軸となる内海哲也、杉内俊哉が苦しんでいる。そして何より大きいのが、リリーフ陣です。昨年はマシソン、山口鉄也、西村健太朗の3人で支えていたブルペンですが、現状は(西村が抜けて)ふたりしかいません。普通に考えれば、相当厳しい戦いが予想されます」
ここまで(5月18日現在)、内海が8試合に登板し0勝4敗、防御率3.83。杉内も8試合に登板し、3勝2敗、防御率4.05。リリーフ陣もマシソンが19試合に登板し、2勝2敗6セーブ、防御率5.50。山口は15試合に登板し、1勝2敗1セーブ、防御率5.84。西村は16試合に登板し、1勝2敗5セーブ、防御率4.11。開幕前、3人揃って打ち込まれることを誰が予想できただろうか。西村にいたっては、「心が病んでいる」(原監督)という理由で、ファームでの調整を余儀なくされている。
ただ、日程に余裕のある交流戦は、逆に投手陣の調子を取り戻すチャンスだと槙原氏は言う。
「内海の登板間隔を空けてもいいと思います。ミニキャンプを張って、じっくり調整させる。レギュラーシーズンなら、ミニキャンプを張ると気持ち的に焦りも出てくると思うのですが、時間に余裕があれば気分転換にもなります。交流戦のあとをしっかり戦う上でも内海には復調してもらわないといけないですから」
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