2014.01.27

田中将大が知っておくべき「メジャー流のリード」

  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

吉井理人の投究論 第8回

 メジャーリーグへの移籍を表明していたマー君(田中将大)の所属先が、ニューヨーク・ヤンキースに決まりました。7年契約で、総額1億5500万ドル(約161億2000万円)。メジャーで何年も続けて2ケタ勝利を挙げているエース級のような契約内容です。これは、アメリカのスカウトがマー君の能力を最大限に評価しているという事実を意味します。

ヤンキースと7年契約を結んだ田中将大。

 入団1年目から活躍する可能性は、めちゃめちゃ高いと思いますよ。なぜならヤンキースという球団は、マー君にとっていいことずくめだからです。

 僕もメッツ時代にニューヨークでプレイしましたが、ドジャースやダイヤモンドバックスが本拠を構える西海岸より、ニューヨークのある東海岸のほうが、適度に湿度があって投げやすい。アメリカ全土をひと通り遠征していけばわかると思いますが、西海岸では気候がカラッとしているから、ボールが滑るし、打球が飛ぶ。もちろん好みは人それぞれですが、僕は東海岸のほうが投げやすかったです。

 試合数は日本の144から162に増えますが、マー君は先発ピッチャーとして自分の調整をさせてもらえるから、まったく問題ありません。移動は距離だけを見ると長くなりますが、メジャーでは試合が終わったその日に、必ず移動します。試合後は、球場から選手専用バスに乗れば、そのままチャーター機の後ろに付けてくれる。

 日本では公共交通機関を使って移動するので、新幹線のホームや空港で待ち時間があるし、周りの目を気にしてシャキっとする必要があります。一方メジャーでは、チームだけのプライベート空間で移動できる。加えて移動ゲーム(移動した当日に試合をすること)がほとんどないことを考えても、日本よりアメリカのほうが、移動は肉体的にも精神的にも楽だと思います。

 環境的なことで言うと、「ニューヨークのメディアは厳しい」と言われます。調子の悪いとき、野球以外のことを書かれるのは事実です。

 現地メディアへの対応で気をつけるべき点は、どんなに厳しい質問をされても、しっかり答えること。アメリカの記者は、「なぜ、あの場面で変化球を投げたのか?」とか、日本人記者がしないような質問を平気でしてきます(苦笑)。

 でも、嫌な質問にも、しっかり答えなければいけません。なぜなら大リーグでは、「自分のプレイについて話すまでが、選手の仕事」と言われているからです。日本のプロ野球ではミスをした選手が記者から逃げるケースがありますが、アメリカでそういうことをすると、逆にたたかれる。しかし真摯に対応していれば、そんなに酷い扱いをされることはないと思います。