2013.10.29

楽天ファン待望の一日「初めて日本シリーズがやって来た!」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 2013年の日本シリーズは、10月26日にパ・リーグの東北楽天イーグルスの本拠地「Kスタ宮城」(以後、Kスタ)で開幕した。チケットは即完売し、仙台地区でのテレビ視聴率は2戦とも40パーセントを突破するなど、東北での楽天人気をあらためて実感した。何より、東北で行なわれる初の日本シリーズ。ファンはこの日をどれだけ待ち望んでいただろうか。

日本シリーズ記念グッズ売り場には、早い時間から長蛇の列ができていた

 第1戦目当日。試合前の楽天の練習が始まると、宮本慎也(元ヤクルト)、石井一久(元西武)、斉藤和巳(元ソフトバンク)といった、今シーズン限りで引退した選手をはじめ、工藤公康氏、佐々木主浩氏、古田敦也氏など、日本シリーズならではの豪華な顔ぶれがフィールドに勢ぞろいしていた。クラブハウス前の通路では、練習を終えた選手たちが大勢の報道陣に取り囲まれる。

「日本シリーズが今年最後の試合になるのでワクワクしています。練習では普段通りできましたが、試合でも日本シリーズということを意識しすぎないで挑みたいですね。少しでも早く日本シリーズの雰囲気に慣れたい。クライマックスシリーズの最初の方は、地に足がついていない感じがあったので……」

 そう取材に応じている楽天・聖澤諒の横を通りかかった工藤氏が、「走れる?」と声を掛けると、聖澤は「今日は(盗塁は)厳しいですね」と苦笑しながら答えた。巨人の先発が左腕の内海哲也だからだろうか。いずれにしてもそんな光景が、日本シリーズ独特の華やかさと緊張感が入り混じった空気を作り出している。

 球場の外でもレギュラーシーズンとは違う雰囲気が漂っていた。設備設営、グッズ販売、警備、飲食店などで働く人たちが午前中からせわしなく動き回っている。山形名物 “芋煮”の特設売り場では、楽天グッズを身に着けたスタッフたちが約500食分の仕込みをしていた。

「理想は試合前に売り切れること。(球場外に設置している)モニターで日本シリーズをゆっくり見たいですね」(スタッフ)