2013.10.28

1勝1敗も巨人に感じる余裕。田中将大の次の登板はどうなる?

  • 阿部珠樹●構成 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

山﨑武司が見た日本シリーズ第1戦、第2戦

日本シリーズが開幕した。第1戦は巨人の内海哲也が楽天の先発・則本昂大との投手戦を制し、2-0で巨人が勝利。続く第2戦は楽天のエース・田中将大が巨人打線を1点に抑え2-1で楽天が勝利した。このシリーズ序盤の2試合を、楽天創設時のメンバーであり、今シーズン限りでユニフォームを脱いだ山﨑武司氏に語ってもらった。

日本シリーズ第2戦で巨人打線相手に1失点完投勝利を挙げた田中将大

 第1戦、第2戦を見た限りでは、楽天の則本と田中のふたりの投球が光った。特に第2戦の田中将大は文句のつけようのないピッチングだった。

 立ち上がりは少し緊張しているかと思ったが、回を追うごとに調子を上げて、3安打12奪三振1失点で投げ切った。今年の田中とは交流戦で対戦したが、とにかくスプリットとスライダーが「エグい」と感じるほど鋭くなっていた。入団したての彼もよく知っているが、その時は、スライダーはまあまあだったが、スプリットはプロで通用するレベルではなかった。それをあそこまで磨き上げた努力は見事というしかない。

 このふたつの球種がいいからストレートも生きる。唯一のピンチだった6回の二死満塁の場面は、ロペスにファウルで粘られたが、最後は内角のストレートで三振に仕留めた。ロペスは外角のストレートもスプリットもファウルにしており、このふたつのどちらかが来ることは頭にあったはず。打者の常識からいっても、満塁で死球や長打の可能性がある内角はまずこないと考える。ところが田中と嶋基宏のバッテリーはズバッと内角にストレートを持ってきた。サインを出す方もすごいが、あそこに投げ切れる田中のパワーと制球をほめるしかない。

 嶋のリードは、以前は安全策の外角中心だったが、ロペスへの配球のように今年は内角の使い方が抜群にうまくなっている。1戦目、2戦目は則本、田中というパワー投手だったので、内角を多く使う攻撃的なリードが効果を発揮した。