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56号狂想曲、もうひとつの物語。その時、川端慎吾は......!? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

―― いえ、間違いなく、56号のあとの守備の時です(笑)。

「えー、そうなんですか。自分は終わったらすぐに守備にいくんで。チームでもそういうことをしようという話はしてなかったですし。えー、全然、知らなかったです」

 果たして真相は――捕手・相川亮二の証言。

「確かにベンチから出るのは遅かったけど、話し合ったわけではありません。スタンドの歓声もすごかったし、ココを待っていた感じだったからね。その様子を何となくベンチで見ていた。川端が守備に就いていた? それは全然気付かなかった(笑)」

 それはさておき、あのゲッツー以来、川端は39打数18安打という素晴らしい成績を残している。

「あのゲッツー以来、『ココにつなごうなんて関係ないんだ。自分のバッティングを思い切りするだけ』と気持ちを替えた結果、自分の状態も上がってきたんです」

 9月26日、神宮球場での巨人戦。1回裏が終了。ヤクルトのベンチからは川端慎吾が真っ先に飛び出し、サードの守備位置へ誰よりも早く駆け出していった。野球ファンとは、選手のこういう姿勢を見ただけでも、強い思い入れを持ち始めるものである。

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