バレンティン、ブランコは「55本塁打」を超えられるか?

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nikkan sports

 新たな歴史の扉は開かれるのか。

 7月28日の阪神戦でDeNAのブランコが今季31本目のアーチを架け、ホームラン争いのトップを走る33本のバレンティン(ヤクルト)に2本差に迫った。特大アーチでファンを魅了している09年の本塁打王・ブランコと、2年連続ホームランキングのバレンティンによる本塁打王のタイトル争いは、どちらに軍配が上がるのだろうか。そして、タイトルの行方以上に気になるのが、シーズン55本のホームラン日本記録更新の可能性だ。

7月28日現在、33本塁打を放ち、セ・リーグ本塁打王のバレンティン7月28日現在、33本塁打を放ち、セ・リーグ本塁打王のバレンティン

 7月28日時点での両チームの残り試合数から、両選手のシーズン終了時点の本塁打数を予想してみると――。ブランコは現在、89試合中88試合に出場して31本塁打。ホームラン1本に要する試合数は2.83試合となる。このペースで今後も打ち続けると、残り55試合で19本塁打となり、シーズン終了時点50本。わずかに55本に届かないことになる。

 一方、WBCでの故障により開幕から出遅れたバレンティンは、87試合のうち出場は74試合ながらも33本塁打。ホームラン1本あたりの試合数は2.24。同様のペースで残り57試合も打ち続けたとすると、25本のアーチを上乗せすることになり、シーズン終了時点では58本で新記録の樹立となる。

 しかし、机上の計算通りにいかないからこそ、野球は面白い。腰に爆弾を抱えるバレンティンが残り全試合に出場できるとは限らないし、ブランコがアーチ量産のペースを上げる可能性も十分にある。

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