2013.04.25

巨人・菅野智之にあって、澤村拓一にないもの

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

ここまで3勝負けなしの菅野。奪三振31はセ・リーグ堂々のトップだ(4月24日現在) 今シーズンは大谷翔平、藤浪晋太郎など、ルーキーの活躍に注目が集まっている。その中でも開幕から安定した活躍を見せているのが巨人ドラフト1位の菅野智之だ。ここまで(4月24日現在)4試合に登板し3勝0敗、防御率1.86、奪三振31。浪人生活を送った1年間のブランクを感じさせない投球で、巨人の快進撃を支えている。一方、菅野とは対照的に開幕から苦しんでいるのが3年目の澤村拓一だ。不調の原因は何なのか? また、菅野との違いは何なのか? 吉井理人氏にふたりのピッチングを比較してもらった。

 ルーキーの活躍が目立つ今シーズン。その中でも巨人・菅野智之投手の活躍には目を見張るものがあります。アマチュア時代の実績からして、それなりに結果を残すだろうとは思っていました。でも、1年間浪人したことでいい時の感覚を取り戻すまでしばらく時間がかかるだろうなと感じていたのですが、正直ここまですごいピッチングをするとは驚きでした。大学4年の時よりもいいんじゃないですかね。それぐらい、今のピッチングは完成度が高いです。

 まず目を引くのが投球フォームのバランス良さです。体重移動がスムーズで、下半身で溜めた力をしっかり指先に伝えることができている。だから、スピンの効いた球がいくし、力強いボールを投げることができる。まさに理想のフォームといえます。

 そして何より、菅野投手の最大の武器はコントロールです。これまで多くのルーキーたちを見てきましたが、最初にぶち当たるプロの壁がコントロールです。アマチュア時代はコースが甘くなったとしても、ボールの威力で抑えることができた。ストライクゾーンにさえ投げていれば、それほど打たれることはなかったと思うんです。でも、プロはそれでは通用しない。ストレートはピンポイントのコントロールが要求されますし、変化球もタイミングを外すだけではダメなんです。そのあたりを意識しているルーキーはほとんどいないですね。でも、菅野投手はしっかりと意識して投げています。

 例えば、フォークならどこから落とせばいいのか、スライダーならどのコースから曲げれば空振りを取れるというのがわかっている。また、そういうことを意識するだけでなく、しっかりと投げ切れるところに菅野投手のすごさを感じます。