【プロ野球】レギュラー奪取なるか?今季ブレイクしそうな若手はこの5人 (3ページ目)
一方、投手陣はどうか。セ・パそれぞれ高い注目を集めていたのが、タイガースの岩本輝(3年目/21歳)とバファローズの塚原頌平(3年目/21歳)のふたりだ。昨シーズン、岩本は9月9日のドラゴンズ戦でプロ初登板初先発を果たし、6回を無失点に抑える好投で初勝利を飾った。結局、3試合に登板して2勝1敗だったが、防御率は0.00と今季に大きな期待を持たせる内容だった。塚原は16試合に登板し、1勝1敗、防御率は3.60。シーズン後半はヒジの手術のため戦線を離脱したが、35イニングで25三振を奪うなど、存在感を示した。前出のセ・リーグのスコアラーが言う。
「ふたりに共通しているのは、投手らしい投手、つまり本格派ということです。腕の振りが素晴らしいですし、ストレート主体のピッチングをしようという気持ちが伝わってくる。昨年、ともに一軍のマウンドを経験していますし、結果も残した。もしかしたら今年、大化けするかもしれません。それだけの実力は十分にあります」
また、タイガースの番記者からは、こんな話を聞いた。
「このオフ、福留(孝介)や西岡(剛)をはじめ、野手は大型補強をしましたが、投手は目立った補強はなかった。それは投手陣に関しては、戦力が整っていると判断している証拠。岩本をはじめ、若い投手陣は順調に成長しています。藤浪くんも入ったし、近い将来、投手王国を築く可能性も十分にあると思います」
そして塚原について、かつて1試合19奪三振の日本記録を作った野球評論家の野田浩司氏が次のように賞賛する。
「まだまだ荒削りな部分はありますが、ストレートも140キロ後半が出ますし、何よりもフォークが素晴らしい。私もフォークを得意としていたピッチャーでしたので、フォークを投げるピッチャーには注目しているのですが、彼のフォークは野茂(英雄)でも佐々木(主浩)でもない、独特の落ち方をします。空振りが取れる球があるというのは、ピッチャーにとってこれほど心強いものはありません。個人的な意見ですけど、先発でも2ケタを期待できますし、リリーフとしても絶対的な存在になるかもしれません。それぐらい注目したいピッチャーです」
昨シーズンを振り返ると、日本一に輝いたジャイアンツには高卒2年目の宮國椋丞が彗星のごとく現れ、17試合に登板して6勝2敗、防御率1.86の好成績を残した。また、敗れはしたがヤクルトとの熾烈なAクラス争いを演じたカープにも3年目の堂林翔太が全試合に出場し、14本塁打を放つ活躍を見せた。さらに、川崎宗則が抜けたソフトバンクのショートには同じく3年目の今宮健太がレギュラーを掴んでいた。果たして今シーズン、将来のチームの顔となるような若手の台頭はあるのだろうか。キャンプインが待ち遠しい。
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