【プロ野球】最強巨人投手陣がメジャー相手に試すべきこと

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

澤村拓一には「あえてストレートで勝負してほしい」と与田剛氏は語る澤村拓一には「あえてストレートで勝負してほしい」と与田剛氏は語る 昨季自己最多の18勝で最多勝に輝いた内海哲也、11勝をマークして新人王に輝いた澤村拓一らを擁す巨人投手陣は今季、ソフトバンクから杉内俊哉とホールトンを加えた。高卒2年目の宮國椋丞も成長著しく、12球団最強との声も聞こえてくる。

 その実力を図る上で格好の材料となりそうなのが、3月25日、26日に東京ドームで行なわれるオーランド・アスレチックス、シアトル・マリナーズ戦だ。30日の今季NPB開幕戦まで1週間を切っており、野球評論家の与田剛氏は「単なる調整の場ではない」と言う。その意味が最も大きいのは、オープン戦3試合に登板して0勝1敗、防御率5.14、被本塁打3と打ち込まれている杉内だろう(成績は3月23日時点)。

「オープン戦で結果が出ていないので、メジャーとの試合を自分の安心材料にする必要があります。周囲から真の信頼を得るためにも、『さすが杉内』という姿を見せなければいけません」(与田氏)

 杉内にとって最大のデモンストレーションとなるのが、イチローとの対戦だ。どう攻めれば、打ち取ることができるだろうか。

「遠めの真っすぐを見せてからインコースに投げ込んだり、狙い球を絞らせないことが必要です。横に変化するスライダー、縦に落ちるカーブやチェンジアップを織り交ぜ、いかに左右高低を使えるかがポイントになりそうですね」(与田氏)

 一方、エースの内海哲也は開幕投手が確実と見られ、登板間隔の関係でイチローとの対戦が実現するかは微妙なところだが、攻め方は杉内と同じだと与田氏は言う。

「外に逃げていくスライダーと、インコースにシンカー気味に落ちていくチェンジアップを、勇気を持って投げられるか。外角だけでイチローを抑えるのは難しい。真ん中からインサイドに入っていく変化球を突っ込んでいかないと、レフトに打たれてしまいます」

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