【プロ野球】2年ぶりの日本一へ、新キャプテン今江敏晃が目指すリーダー像 (2ページ目)
キャプテンといえば、今年、キャプテンを置くチームが増えた。
まずセ・リーグでいえば、ジャイアンツの阿部慎之助だけだったのが、スワローズに今年、相川亮二キャプテンが誕生した。スワローズにとっては、2008年の宮本慎也以来、4年ぶりのキャプテン制度復活である。さらに、投手キャプテンに藤川球児、野手キャプテンに鳥谷敬が就任したタイガース。虎のキャプテンといえば、かつては松木謙治郎、景浦将、藤村冨美男、吉田義男といった蒼々たる顔ぶれが務めてきた。1973年の安藤統男(あんどう・もとお)を最後に途絶えていたキャプテン制度を、和田豊監督の意向で39年ぶりに復活させたのだという。ベイスターズは、選手たちが石川雄洋を新球団初のキャプテンに選んだ。ドラゴンズとカープには今季、キャプテンはいない。
一方、パ・リーグは全球団にキャプテンが揃った。
ホークスの小久保裕紀は変わらず、バファローズは後藤光尊、ライオンズは栗山巧、イーグルスは松井稼頭央、ファイターズは田中賢介、マリーンズは今江敏晃が務める。プロ野球の各球団には選手会長なる職を務める選手が必ずいる。しかし、キャプテンはいつもいるとは限らない。大雑把に言えば、グラウンド外でのリーダーが選手会長、グラウンド内でのリーダーがキャプテンということか。
マリーンズは一昨年、西岡剛をキャプテンに据えて、日本一に輝いた。西岡がメジャーへ移り、キャプテンを置かずに戦った昨年、チームはまさかの最下位に沈んでしまう。そこで今季、西村徳文監督は、プロ11年目、28歳の今江に白羽の矢を立てた。
「監督に言われたのは1月22日 です。自主トレ先の宮古島から帰ってきたら、監督から電話がかかってきて、『キャプテンをやってくれないか』と言われました。でもすぐにいい返事はできなかった。なんとなく予感はありましたからビックリしたわけじゃなかったんですけど、とにかく、そう思っていただいたことに対して、ありがとうございます、前向きに検討させていただきます、と言って電話を切りました。でも、今年は話をいただいたらキャプテンをやってみようと思っていたんです。去年、僕の中でのモチベーションが、今までの野球人生の中でいちばん下がってしまった。これじゃ、ダメだなと思って考えた結果、今年はキャプテンじゃなくても、自分のことだけじゃなくてチームのことをしっかり考えて、チームを引っ張って、周りのみんなにも声を掛けてみようと思っていたんです。たまたまそういう気持ちでいたとき、キャプテンをやってくれという話をもらって、正直、気持ちの整理はできていましたが、いざ言われたら即答する勇気がなかった。それでいったん保留しちゃいました(苦笑)」
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