【プロ野球】大嶋匠、中田翔――『平成のON』が日本ハムの未来を担う

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 青山浩次、益田佑一●写真 photo by Aoyama Koji、Masuda Yuichi

実戦初打席でバックスクリーンに特大の一発を叩き込んだソフトボール出身の大嶋匠実戦初打席でバックスクリーンに特大の一発を叩き込んだソフトボール出身の大嶋匠 2月8日に行なわれた日本ハムキャンプ初の紅白戦。その試合で早稲田大ソフトボール部出身のドラフト7位ルーキー・大嶋匠がバックスクリーン直撃の特大アーチを放ち、選手、首脳陣たちの度肝を抜いた。栗山英樹監督も、「あそこで打てるのは何か持っていますね。非常に楽しみ。ドラフトで獲得したことが間違っていなかったことを証明しました」と賛辞を送った。

 大嶋は大学時代、13試合連続本塁打、通算80本塁打を記録するなど、ソフトボール界では知らぬ者がいないほどの大物だった。しかし、ソフトボール界では大物とは言え、なぜプロ野球の世界に入ることができたのか。球団関係者が入団の経緯を語る。

「ソフトボール部の監督と昔から知り合いのスカウトがいて、監督から『面白いのがいるから見てくれないか』という連絡があったんです。それで見に行ったら、本当にすごい打球を飛ばしていた。そこで今度は、『野球をしているところが見たい』という話になり、それが入団テストとなったわけです。もちろん、そこでも大きい当たりを打っていたようですが、決め手となったのはバッティングの柔らかさでした」

 身長180センチ、体重95キロと堂々とした体躯の大嶋だが、決して力だけに頼ったバッティングではない。田中幸雄バッティングコーチが次のように説明する。

「スイングスピードが速いし、柔軟性もある。バットコントロールがうまいので、どんな球にも対応できる。パワーだけじゃなく、うまさも兼ね備えています」

 そして大嶋の評価を上げたのが、ホームランの次の打席の四球だった。ボール球には手を出さず、際どい球はカットする。福良淳一ヘッドコーチも「ストレートも変化球もどっちが来ても対応できる待ち方。ほとんどのルーキーはプロの変化球に戸惑うのだけど、それがない。もっと変化球で崩されると思っていたんだけど......」と舌を巻いた。

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