検索

「投手・大谷翔平」をドジャースが休止し続ける背景と「二刀流」復活へのカギ (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Hideki Okuda

【二刀流復帰は患部や違和感の100%回復が基本】

 左膝に炎症を抱え始めたのは6月だった。その頃から投球内容にも変化が表われた。6月3日終了時点では10試合に登板して防御率0.74だったが、その後の4試合では計12失点を喫し、防御率は1.79まで上昇した。もちろん、この数字をすべて左膝だけで説明することはできない。しかし、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は7月29日の会見で、「コマンド(制球力)、投球の遂行は普段の彼より少しずれていた」としたうえで、「それは膝とデリバリーに関係している。同じ動きを何度も繰り返すことが難しくなっていた」と説明。左膝の影響で投球フォームの再現性が低下していた可能性を認めた。

 オールスター期間中には、左膝にヒアルロン酸製剤「オルソビスク(関節液の粘性や潤滑性を補い、痛みを軽減して関節の動きを改善する)」の注射を受け、静養にも努めた。後半戦に入るとブルペン投球を再開し、7月22日に投球練習を実施。当初は25日にもブルペン入りする予定だったが、左膝の状態を考慮して延期された。その後も公式戦復帰へ向けた投球練習は行なわれておらず、慎重な調整が続いている。

 7月28日、大谷は投手復帰について胸の内を明かした。

「まったく問題がなければどんどん進んでいく。100%ならそういう感じですけど、90数%でも残りの数%に違和感があるなら、まだ休もうというのが全体的な方針だと思います」

 さらに、左膝だけでなく右上腕二頭筋についても、「二頭筋も100%ではない。どの程度までプッシュするのかという判断になる。まだ7月なので、8月、9月になった時にどうするか、その都度決めたい」と説明。復帰時期を急ぐ考えはないことを強調した。

 オールスター休みの注射については「かなりよくなったのは間違いない。ただ、痛みがゼロになることはドクターと話していて、ないのかなという感じではある」と認めた。完治というよりも、痛みをコントロールしながらプレーを続けていかねばならない。

 翌29日には、フリードマン編成本部長が、現状についてさらに詳しく説明した。

「当初は膝の腫れに何とか対応しようとしていました。その途中で上腕二頭筋にも少し問題が出ましたが、それはよくなりました」

 そのうえで、球団が最も警戒しているのは左膝をかばうことで投球フォームが崩れることだと説明した。

「着地脚である左脚をかばい、無意識のうちに投球メカニクスを変えてしまうような状況にはしたくなかった。今回の措置は腕の問題というより、左脚に何度も着地することによる負担を取り除くことが目的です」

 現在も大谷はプライオボールを使ったスローイングを続け、腕は動かしているという。その上で、フリードマン編成本部長は「膝はよくなり続けています。比較的近いうちにキャッチボールを始め、そこからブルペンへと段階を上げ、復帰に向かっていくことには自信を持っています」と、今季中の投手復帰に前向きな見通しを示した。

2 / 3

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

キーワード

このページのトップに戻る