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【MLB】大谷翔平「50本塁打・140得点」は史上7人目 18年ぶりの金字塔はドジャースだから達成できた (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【打点が低い理由は1番だから】

 一方、大谷の打点は、まだ三桁に達していない。現在99打点。こちらは1シーズン50本以上のホームランを打った選手の最少打点を更新する可能性がある。これまで最も少なかったのは、1996年に50本塁打を打ったブレイディ・アンダーソン(ボルチモア・オリオールズ)が記録した110打点だ。

 今シーズン、57本塁打のカル・ローリー(シアトル・マリナーズ)は119打点、53本塁打のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は129打点を挙げている。

 大谷の場合、ホームランが多いのに打点を積み上げることができていない最大の要因は、打点を挙げる機会が少ないことだ。走者がいる打席はローリーが.293、シュワーバーが.330、大谷は.250。得点圏に走者がいる打席も.170と.196と.132だ。

 塁上にいる走者の数も、かなりの差がある。ローリーとシュワーバーがともに400人を超えているのに対し、大谷は322人だ。

 大谷は1番打者として142試合に出場しているので、それらの試合の1打席目は走者がいない。そのうえ、大谷の前に打席に立つドジャースの7番〜9番の出塁率は、他チームと比べて極端に低いわけではないが、高くもない。いずれも.300前後だ。1996年のアンダーソンも打順は1番がメインだった。

 打順が1番でなければ、得点圏打率が同じままでも、大谷の打点はもっと多かったのではないだろうか。その反面、得点は今よりも少なかった可能性がある。

「大谷を何番とすべきか?」という議論について、正解を出すのは難しい。現在のドジャースのメンバーからすると、1番か2番か3番、あるいは4番でも、完全な正解ではないにせよ、どれも不正解ではないように思う。

 間違いなく言えるのは、ドジャースの打線における大谷の存在の大きさだ。ホームランと得点だけでなく、打点もドジャースでは誰よりも多い。いずれにしても、今回18年ぶりに達成した「50本塁打・140得点」も、大谷の数多ある金字塔のひとつに加えられた。

著者プロフィール

  • 大谷翔平

    大谷翔平 (おおたに・しょうへい)

    1994年7月5日生まれ。岩手県水沢市(現・奥州市)出身。2012年に"二刀流"選手として話題を集め、北海道日本ハムからドラフト1位指名を受けて入団。2年目の14年にNPB史上初の2桁勝利&2桁本塁打を達成。翌年には最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠を獲得...

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