メジャー昇格を目指し2Aで奮闘中の23歳・西田陸浮 2023年ドラフト11巡指名までの道のり (3ページ目)
【尊敬の域を超える人物のバットに大感激】
3つのレベルでプレーしたプロでのフルシーズン1年目、どの階層でも先発、打順1番の座を守り続けた西田だが、リーグが上がるごとに「(レベルが)全然違う。必死でした」と振り返る。
「打ち方はめちゃくちゃ変えました。ノーステップになったし、2Aになってからは自分のスタイルというものにもっとフォーカスしてやっていました。自分の役割って言うんすかね。Low-AとかHigh-Aでは、長打を狙いにいったり、わりと大振りしても、チームのなかで一番いいバッターという意識がありました。例えばランナー3塁でも、無理やり打ちにいったりとかもしていました。
でも2Aになってからは、うしろにすごくいい打者がたくさんいるため、そんなに無理しなくてもいいので徹底できたというのはあります。その結果、(2Aで)打率3割台(.333)にいけたと思います」
成功の要因は、「指標」にもあると言う。守備範囲やストライクとボールの見極めなどの打撃、心構えなど「選手のパフォーマンスすべて」の細かな指標がメジャーリーグでは重視されているため、それらを意識して高めることで、総合的な向上につながった。
今年のキャンプでは、うれしいこともあった。
西田にとって、「尊敬よりも、もっとすごい。僕がコメントするのもおこがましいぐらいの人」であるマリナーズのイチローさんと球場で言葉を交わし、その後コーチの粋な計らいでサイン入りバットをもらったのだ。オープン戦のマリナーズ戦でイチローさんが西田のほうに歩み寄ってくれた時は、「言葉が出てこなかった。言えたのは『西田陸浮です』だけだったと思います。『頑張ってね』と言ってくれました」と興奮ぎみに振り返る。
朝晩欠かさない素振りでは、そのバットを使っており、使い終えるとそのバットのためにオーダーしたケースに入れて大切に保管しているという。
そんなトレーニングキャンプも終わり、シーズンも開幕。オープン戦の期間は、マイナーの試合では3Aのメンバーとして出場しており、「わりと打っているほうだと思います」と話したが、「メジャーリーガーの人たちが3Aに降りてくるので、2Aスタートとして準備しています」と西田。
本人の言葉どおり、今シーズンは昨季上り詰めた2Aからのスタートとなった。
「終わってから与えられたものに気づかないように。1打席1打席、1試合1試合、そういう気持ちでやりたいです。だいたい120試合ぐらい出るというのはわかっているので、120回集中するだけ。頑張るだけです」
実質2年目の今季はどのようなシーズンを見せてくれるのか。楽しみに見守りたい。
つづく
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著者プロフィール
山脇明子 (やまわき・あきこ)
大阪府出身。ロサンゼルス在住。同志社女子大在学時に同志社大野球部マネージャーと関西学生野球連盟委員を兼任。卒業後はフリーアナウンサーとしてABCラジオ『甲子園ハイライト』メインキャスター、サッカーのレポーターなどを務める。渡米後は、フリーランスライターとしてNBA、メジャーリーグ、アメリカ学生スポーツを中心に取材。
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