【MLB】鈴木優のLAリポート 元オリックスのチームメイト・山本由伸に感じたメジャー2年目の貫禄 (2ページ目)
【緊張感ある投手戦】
試合は、初回に山本投手がランナーを背負うも、しっかり0点で抑える無難な立ち上がりを見せました。一方、ドジャース打線の怖さを誰よりも知っているフレアティ投手は、いきなり先頭打者の大谷翔平選手にストレートのフォアボールを与えてしまいます。しかし、つづくムーキー・ベッツ選手を併殺に仕留めるなど無失点。
山本投手は5回までに2本のホームランを許しますが、10三振を奪うなど"さすが"のピッチングを披露。フレアティ投手も6回にフレディ・フリーマン選手に同点2ランを浴びましたが、"らしさ"を全面に出した投球で試合をつくりました。
内容的には山本投手のほうがよかったですが、ともに2失点ということで、今回は引き分けというところでしょうか。
さすが、チームをワールドシリーズ制覇へと導いた投手同士の投げ合いとあって、ポストシーズンのような締まった試合で、とても緊張感がありました。
結局、試合は延長10回の末、ベッツ選手のサヨナラホームランでドジャースが勝利しました。
試合後、記者の質問に答える山本由伸 photo by Suzuki Yuこの記事に関連する写真を見る 試合後、山本投手に話を聞くと、こう語っていました。
「フレアティと投げ合うことができたのは特別なことだし、そんな試合に投げられてよかったと思う。先制点は与えたくなかったが、与えてしまったあともなんとか粘れたと思う。そこはよかった」
ただピッチングには全然満足していないようで、「まだまだですね」と早くも次の登板に向けて気持ちを切り替えていました。
今日の山本投手のピッチングを見て、まだまだ改善できるところはあると思いますが、しっかり組み立てできていましたし、これだけ三振を奪えたのは大きな自信になったはずです。この日の山本投手のピッチングを見て、本気でサイ・ヤング賞を狙ってほしいと思いました。
著者プロフィール
鈴木 優 (すずき・ゆう)
1997年2月5日生まれ、東京都出身。小学4年生から野球を始め、都立雪谷高校ではエースとして活躍。2014年のドラフトでオリックスから9位指名を受け入団。20年7月1日の西武戦でプロ初勝利。翌年は11試合に登板するも、防御率9.00で10月に戦力外通告を受ける。同年12月に育成契約として巨人に入団するも、22年は結果を残せずに自身2度目の戦力外通告を受け、現役引退。その後、アメリカに渡り、新たなキャリアを模索。現在はロサンゼルスを拠点に活動し、フジテレビ系列の『Live News イット!』のMLBリポーター、メジャー観戦記の執筆など多岐にわたり活躍中
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