【MLB】佐々木朗希、衝撃と課題のメジャーデビュー戦 ロバーツ監督が語った「令和の怪物のこれから」 (3ページ目)
この日の最速は100.5マイル(161.7キロ)、平均は98マイル(157.7キロ)。数字が何より佐々木の豪腕ぶりを物語っている。
「球速に関してはウォーミングアップの時からいいフォームで投げられて、投げる前から手応えを感じていました。実際に良いフォームで、いい感覚で投げられたので良かったと思います。コントロールについては前のイニング(=2回)から少し微妙なズレもあったので、次に向けて修正していかなければいけないと思います。でもそれ以上に、初回をしっかり投げられました。あの感覚はしばらくなかったので、そこがしっかり戻ってきたことの方が良かったと思います」
【早めに課題が出てきてくれたら】
高校を卒業して6年目の今季、23歳の佐々木はドジャースにマイナー契約で入団し、今回の東京遠征を前にメジャー契約を果たしたばかりだ。だからこそMLBではプロスペクトという扱いであり、ロバーツ監督や佐々木自身が語った内容からも発展途上であることが伝わってくる。
筆者は"令和の怪物"にもっと鮮烈なデビューを期待していたひとりだが、あらためて佐々木の並外れたポテンシャルを感じさせられたのは、会見の最後で語った内容だ。
「自分の持っているものというか、ストレートだったり、フォークボールがどういうふうに通用していくのか。投げていったなかで課題が出てくると思うので、シーズン終盤の大事な時にそういったものをなくせるように、早め早めに課題が出てきてくれたらなと思います」
シーズンはまだまだ長い。ドジャースは通常より1週間早くシーズン開幕を迎え、ポストシーズンが始まるまでには半年ある。今世紀初のワールドシリーズ連覇を目指すチームにとって、10月からの戦いこそ"本番"だ。佐々木の口ぶりは、そこを見据えているかのようだった。
2025年の開幕2戦目に抜擢されたトッププロスペクトは今後、どんな成長を果たしていくのか。圧倒的な才能と課題を同時に示したデビュー戦は、新たな挑戦の始まりにすぎない。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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