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桐朋高・森井翔太郎 偏差値71の二刀流はなぜ「異例のメジャー挑戦」を選んだのか? (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

2月11日に会見を開いた桐朋高・森井翔太郎 photo by Uchida Katsuharu2月11日に会見を開いた桐朋高・森井翔太郎 photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る「ヨガでしなやかさだったり、関節の柔らかさだったりもそうなんですけど、呼吸と動きを連動させて、どこで吸って、どこでは吐いたらいいのかというのを常に意識してやっていました。両親の存在がなかったら、今の自分はここにはいないと思っているので、本当に感謝しています」

 桐朋高では1年夏から三塁のレギュラーを獲得。進学校ゆえに18時完全下校の環境下でも自らを律してトレーニングに励み、2年秋から投手兼遊撃手として本格的に二刀流に挑戦するなど、夢に向かって邁進してきた。田中監督が森井の素顔を明かす。

「1年夏の初戦で2打席目に本塁打を打ちまして、今後どうなっていくのかなとすごく期待しました。地道にコツコツと、自分でやれないことがあった時には、そこにしっかりと向き合ってクリアしていく、そういう選手です」

【対戦したい相手は?】

 そして3年夏。日米が注目する選手へと成長を遂げ、西東京大会初戦の都富士森戦には、14球団42人のスカウト・編成関係者が大挙した。ただ、リリーフで最速147キロをマークも、3打数無安打とバットでは貢献することができず、試合も2対9で7回コールド敗退。悔いがないと言えば嘘になる。それでも高校3年間、そして桐朋で過ごした12年間がなければ、野球選手としてはもちろん、人間的な成長はなかったと断言できる。

「みんなでやらせてくれる環境だったり、自分で考えさせてくれる環境だったり、それでも厳しいところは厳しくちゃんと言ってくださるので、そういう意味では、礼儀だったり、野球の技術以外のところもたくさん教わることができました」

 メジャーでは、投手で2ケタ勝利、打者で3割、30本塁打が目標。投手としてはエリー・デラクルーズ(レッズ)、打者としてはジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)をそれぞれ対戦したい相手に挙げる。

 二刀流の大先輩である大谷翔平(ドジャース)には「自分が練習していくにつれて、どれだけすごいことをやっているのかと実感していきました」と憧憬の念を抱くが、どちらで対戦したいかとの問いには「したくないわけではないけど......。投打どっちも嫌です」と苦笑いした。

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