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佐々木朗希はどの球団でMLBデビューを果たすのか? パドレスはドジャース、ブルージェイズよりもいい相性? (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【1年前に大谷を逃したブルージェイズは?】

 カナダに本拠地を置く唯一のMLBチームであるブルージェイズが最終候補に名を連ねているのは、軽いサプライズに感じるファン、関係者も多いかもしれない。

 昨季は74勝88敗と苦戦。ニューヨーク・ヤンキース、ボルチモア・オリオールズといった強豪が属するア・リーグ東地区内では、2025年も総じて優勝候補とは考えられていない。ウラディミール・ゲレーロJr.、ボー・ビシェットといった看板野手は今年が契約最終年であり、近い将来にチーム全体が岐路に立たされる可能性がある。

 また、これはマイナスとは限らないのだが、現在のブルージェイズのロースターに日本人選手はひとりも含まれてはいない(昨年末のリモート会見でウルフ代理人は「ロウキはチームに日本人選手がいるかどうかについて特に気にしているようには見えなかった」とは述べていた)。

 しかし、そんな状況にいるチームだからこそ、パドレス同様、佐々木のように将来性豊かな選手の獲得が必須なのかもしれない。『CBSスポーツ』のマイク・アクシサ記者は、その現状をこんなふうにまとめていた。 

「ブルージェイズは1年前のオフに大谷翔平、今オフにコービン・バーンズとフアン・ソトの争奪戦で敗れている。おかげでファンの気分は落ち着かない。

 そんななか、(佐々木のように)若くて優秀な先発投手が手に入ればブルージェイズを正しい方向に導く助けとなる。同時にゲレーロとの再契約の援護射撃になり、他のフリーエージェント選手をトロントと契約するよう説得もできるかもしれない。

 ブルージェイズは佐々木のフィールドでの才能に加え、彼がフィールド外でもたらす要素(市場価値の高さなど)を必要としている」

 とはいえ、ブルージェイズはやはり3つの最終候補の中でもダークホース止まりにも思える。投手育成の実績が豊富なわけでも、チームに日本のエース候補を強烈に惹きつけるだけの伝統があるわけでもない。最終的には今回も引き立て役に終わる可能性が最も高いのではないか。

 ただ......去年の大谷争奪戦でもファイナリストに残り、大谷がわざわざフロリダのブルージェイズキャンプ地まで施設を見に行ったと伝えられた。大物選手が考慮する職場として、MLBで最新鋭の装備を持つブルージェイズもそろそろリスペクトされてしかるべき、という見方もある。

 パドレス同様、トロントの本拠地でも佐々木が練習する姿がすでに目撃されたという。だとすれば? ここで大どんでん返しがあったとしても、そろそろ私たちは驚くべきではないのかもしれない。

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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