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今永昇太はボール球を巧みに振らせ、登板したら90%の確率で勝つチャンスをもたらした (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【吉田は宿敵ヤンキース戦で大爆発】

 難を言えば、2シーズンとも序盤はケガによって離脱した期間があった。前半と後半のOPSは、昨シーズンが.748→.938、今シーズンは.813→.889と推移している。打率と出塁率も同様だ。開幕から健康を維持すれば、今永に先を越されたオールスターゲーム初選出も見えてきそうだ。

 守備においては、平凡なフライを落球することもあったが、8月中旬からDHにほぼ専念したのは、好守の外野手が3人揃ったことが主な理由だと思われる。守備イニングは昨シーズンの半分近くまで減ったにもかかわらず、補殺は2→5と増加した。

 5年9000万ドル(約123億円・当時)の契約2年目だった吉田は、序盤に1カ月以上の離脱があり、出場は108試合にとどまった。昨シーズンから32試合減り、規定打席に届かなかった。

 とはいえ、打率.280と出塁率.349、OPS.764は昨シーズンと同水準。10本塁打は5本減だが、1本当たりの打数は35.80→37.80なので、こちらもあまり違わない。守備には1イニングしかつかず、DHとしては物足りなさが残るスタッツながら、7月と8月は2カ月続けてOPS.895以上を記録した。

 なかでも宿敵ニューヨーク・ヤンキース戦では、7月5日の9回表に打った同点2ラン本塁打をはじめ、12試合で12打点を挙げた。ヤンキース戦の出場は全体の11.1%(108試合中12試合)、打点は全体の21.4%(56打点中12打点)だ。

 ボストン・ヘラルド紙のマック・セルーロ記者らによると、吉田はシーズンを通して右肩の具合がよくなく、オフに手術を受ける可能性もあるという。

 上沢は、ポスティングシステムを利用してタンパベイ・レイズとマイナーリーグ契約を交わし、開幕直前にレッドソックスへ移籍。メジャーリーグでは5月2日〜3日に2イニングずつを投げ、初登板は6人ともアウトに仕留めたが、2登板目は2点を取られた(自責点は1)。その前後の3Aでは、リリーフ14登板と先発6登板の計59.0イニングで防御率7.63を記録した。9月上旬に右ひじを痛め、そのまま復帰せずにシーズンを終えた。

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