大谷翔平の「ライバル」は誰か? 今季メジャーの投手・野手からひとりずつピックアップ (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

 スキーンズは「(大谷との激突を)"力と力の勝負"と呼んでほしい」とコメントしたが、メジャー屈指の長距離砲となった大谷と対決し、そう言ってのけられる投手は多くはいないだろう。スキーンズと大谷の対決には、そんな言葉も大袈裟ではないと思える魅力があった。

 大谷が打った101.1マイルの真っ直ぐは、これまで本塁打にした全球種のなかで最速。また、スキーンズが速球を長打にされたのは、メジャーでの5戦目にして初めてのことだった。豪快な対戦に、スキーンズは笑顔が抑えきれない様子でこう語っていた。

「こういうマッチアップがあるからこそ、この(メジャーの)ゲームなんだ。対戦は間違いなくクールな瞬間だった」

 スキーンズは大学時代、投手と捕手の二刀流でプレーしていたことでも知られる。また、偶然にも2018年4月8日、大谷がエンゼルスタジアムで本拠初先発したアスレチックス戦を、ファンとして球場で観戦したというエピソードも。そんな背景もあって、初対決の前日には「僕は彼(大谷)を見て育った。二刀流の選手であり、ドラフト指名されるまでは僕もそうなりたかった。いろんな意味でインスピレーションを得たよ」と目を輝かせていた。

 ただ、そういったバックグラウンドを抜きにしても、豪腕投手と最強打者の真っ向勝負は、野球漫画のようなシンプルな魅力がある。スキーンズはここまで4勝0敗、防御率2.29、39回1/3を投げて53奪三振と期待どおりの成績を残してきた(成績は日本時間6月23日時点)。ケガさえなければ将来は有望。順調に成長すれば、同じナ・リーグに属する大谷とは何度も対決の機会があるはずだ。

 次のドジャースとパイレーツの対戦は8月9日から、今度はロサンゼルスでの3連戦が組まれている。ここでもスキーンズに登板機会があれば、話題を呼ぶことは間違いない。注目の第1ラウンドが終わって間もないが、次の対戦が早くも楽しみである。

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