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レッドソックス傘下で苦しむ上沢直之 30歳で新たに挑戦するフォーム修正に「自分を信じてやるしかない」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【「必ずチャンスはくる」】

 日本ハムではオールスターに3度も出場し、昨季は防御率2.96を残した上沢は紛れもなくエース格だった。それでも、すでにベテランと称されてしかるべき年齢の右腕に、必要以上のプライドは感じられない。マイナー契約、オープン戦でも防御率13.03、開幕メジャー入りならずといった試練を味わっても、ひたむきに進歩を目指す謙虚さがある。

 上沢から感じられるのは、「少しでもいい投手になりたい」という向上心。生き馬の目を抜くようなメジャーリーグで生き残り、好投していくためにはそれが必須であることを、すでに理解しているのだろう。

 開幕前、まだレイズのマイナー組織に所属していた頃、上沢がこう話していたのが思い出される。

「シーズンが終わった時にメジャーの舞台で投げられて、それなりの成績を残していることが大切。現時点でうまくいってなかったとしても、しっかりと自分で考えて、継続してやりたいことをやっていれば、必ずチャンスはくる。結果を大切にしていますけど、早くこっちで活躍するための技を磨くのがすごく大事かなと思います」

 ウースターでのマイナー暮らしはきっと無駄にはならない。ただ昇格するだけではなく、そこで活躍するために――。アメリカの大地を成長するための舞台として選んだ上沢の奮闘はまだまだ続いていく。

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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